2014年12月14日日曜日

カリヨンホール用ピアノ曲選曲<傾向と対策>

 先日、カリヨンホール(猪名川町)とユーベルホール(大阪府豊能町)を比較してみた。その結果、ユーベルホールは、楽器、音響とも、大変良いので、どんな曲を弾いても、(たとえ幼児が弾いても、)素敵に聴こえるのにくらべ、カリヨンホールは、音響上、そして楽器の点からもいろいろな欠点があることに気付いた。

 カリヨンホールはまず、楽器も古いのか、それとも使い尽くされているのか、音の伸びがない。その上、その点をカバーするほどの音響があればよいが、そうでもない。音響は良くない。音が響かない。

 カリヨンホールで弾くための選曲について述べる。幼児・普通の子どもさんが弾く曲というのは、音数が少なく、ゆっくり弾くことが多い。つまり鍵盤を実際に押している時間が長いので、楽器が持つ自然な伸びなど、それほど関係ない。またソナチネ・レベルの16分音符がたくさん出てくる曲で、ノン・レガートが必要な楽曲も、問題ない。また、ショパン(一例です)などの、ペダルを多用する一般的な曲も、ペダルが大いに助けてくれる。

 逆に、難しいのは、旋律線が長い曲(または部分)や、ゆっくりな曲。音の減衰が速いので、旋律、音と音の間が、上手く続かない。また、バスの音も、音の減衰が速いため、次に現れるバスまで、間が持たない。想定以上に、腕の重みが必要になったり、鍵盤を押す時間・速度を変えるなど、調整が必要になってくる。また、速いテンポのスタッカートが連続するような曲は、そもそもドライな曲である上、音が響かないので、きれいに聴こえないし、音が直接的にしか、聴こえてこない。楽器の一部分、鍵盤まわりだけで、音楽をしているようで、楽器全体を鳴らして、ホールいっぱい、いちばん遠い場所にも音を届けるといった感じにはならない。
 そして、音のあや・テクスチヤーを楽しむといった繊細な曲も(上述のショパンでも、曲によっては)、どれほど意思通りの音楽を伝えられるかは、疑問である。

 以上のことから、初心者が多い子どもさんのピアノ発表会は問題ないが、上級者は、弾き映えのする曲を、いろんな場面を想定しながら、選択する必要がある。
 


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