2014年12月23日火曜日

クリスマスの祝会にて

ポットラック・パーティの模様
11月21日(日)に行われた山下バプテスト教会のクリスマスの祝会で、現在中学1年生のKさんが、「軍隊ポロネーズ」(ショパン)を演奏しました。彼女は、教会附属幼稚園の出身ではありませんが、附属幼稚園のピアノ教室で、ピアノのお稽古を始められました。この演奏の機会は、一緒にピアノ発表会をさせて頂いているH先生のご尽力により、実現しました。
 音楽的な文法にのっとった、構成のしっかりした演奏で、聴きやすかったです。フレーズ内のdetailにも、気を配っていました。レッスンでは、準備不足のときもありますが、レッスンで行ったことや、そのとき覚えた感覚を、ぐんぐん吸収していってくれる、とても素直な生徒さんです。

2014年12月14日日曜日

カリヨンホール用ピアノ曲選曲<傾向と対策>

 先日、カリヨンホール(猪名川町)とユーベルホール(大阪府豊能町)を比較してみた。その結果、ユーベルホールは、楽器、音響とも、大変良いので、どんな曲を弾いても、(たとえ幼児が弾いても、)素敵に聴こえるのにくらべ、カリヨンホールは、音響上、そして楽器の点からもいろいろな欠点があることに気付いた。

 カリヨンホールはまず、楽器も古いのか、それとも使い尽くされているのか、音の伸びがない。その上、その点をカバーするほどの音響があればよいが、そうでもない。音響は良くない。音が響かない。

 カリヨンホールで弾くための選曲について述べる。幼児・普通の子どもさんが弾く曲というのは、音数が少なく、ゆっくり弾くことが多い。つまり鍵盤を実際に押している時間が長いので、楽器が持つ自然な伸びなど、それほど関係ない。またソナチネ・レベルの16分音符がたくさん出てくる曲で、ノン・レガートが必要な楽曲も、問題ない。また、ショパン(一例です)などの、ペダルを多用する一般的な曲も、ペダルが大いに助けてくれる。

 逆に、難しいのは、旋律線が長い曲(または部分)や、ゆっくりな曲。音の減衰が速いので、旋律、音と音の間が、上手く続かない。また、バスの音も、音の減衰が速いため、次に現れるバスまで、間が持たない。想定以上に、腕の重みが必要になったり、鍵盤を押す時間・速度を変えるなど、調整が必要になってくる。また、速いテンポのスタッカートが連続するような曲は、そもそもドライな曲である上、音が響かないので、きれいに聴こえないし、音が直接的にしか、聴こえてこない。楽器の一部分、鍵盤まわりだけで、音楽をしているようで、楽器全体を鳴らして、ホールいっぱい、いちばん遠い場所にも音を届けるといった感じにはならない。
 そして、音のあや・テクスチヤーを楽しむといった繊細な曲も(上述のショパンでも、曲によっては)、どれほど意思通りの音楽を伝えられるかは、疑問である。

 以上のことから、初心者が多い子どもさんのピアノ発表会は問題ないが、上級者は、弾き映えのする曲を、いろんな場面を想定しながら、選択する必要がある。
 


2014年12月7日日曜日

【比較】カリヨンホール(猪名川町)VS ユーベルホール(大阪府豊能町)

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発表会で使用した両ホールを比較。

カリヨンホール
[長所]
  ・最寄駅から近い
    →大勢の人に観に来てもらいやすい。
  
  ・舞台が小さい
    →出演者の入れ替わりと、補助ペダルや椅子のセッティングが迅速に行える。
  
  ・キャパシティが小さい
   →ピアノ発表会に必要な収容人数は、出演者約25人×家族・知り合い
    平均4人=約100人+カメラマンのスペース。カリヨンホールは、240席なので、客席
    が窮屈過ぎず、空き過ぎず、適当な大きさだと思う。

[短所]
  ・ピアノのチョイスができない。
    ←ヤマハしか、置いていない。しかも少し古くて、鍵盤が黄ばんでいる。弦も、ずい 
     ぶん使い込んでいる感じで、伸びがあまり良くない。例えば、バスの動きを大切にし
     たければ、普段よりも、相当充分に腕を使って、響かせなければ、次のバスの音ま
     で、音が持たない。自然な楽器の弦の長さに任せることはできず、意識して、普段と
     は違う動きを足してやるのは大変。旋律線も、大きく歌わせたい曲には、不向き。
  
  ・音響が良くない。
   ←オーダーすれば、反響板を使って、より良い環境を目指してくれるが、
    それでも響きは良くない。音が直接的。


ユーベルホール
[長所]
  ・ピアノのチョイスができる。←スタインウェイ or ヤマハを選択できる。
               レンタル料に差あり。スタインウェイは、やはり音がきれい。
               幼児が弾いても、スタインウェイの音!  

  ・音響がとても良い。←このホールでレコーディングしている人もいるくらい、良い。
            ユーベルホールで行った発表会の動画を見ると、ホールの音響・
            響きに、助けられている面が大きい。 

[短所]
  ・遠い!←地位的条件が悪い。駅からも遠いし、車で行くにも、少し大変。手軽ではない。
       休憩するにも、カフェやコンビニが、近くにない。一方、気をそらすもの(ショッ
       ピングセンター等)がなく、演奏しか考えるものがないので、ある意味、良いか
       も。 
 
  ・キャパが大きい←約500席。上記のカリヨンホールの長所とは逆に、我々規模のピアノ発表
          会の用途にしては、大きすぎる。  



▼まとめ
 利用者の利便性の視点からは、カリヨンホールの方が良い。しかし、本来の目的である音楽面を考慮すれば、ユーベルホールの方が圧倒的に良い。ホールの響きも、楽器の一部、音楽を構成し、伝えるための重要な要素であることを、改めて実感した一日であった。昨年発表会に出た生徒さんも、『ユーベルホールのピアノの方(スタインウェイ)が、弾きやすい』と言っていた。

 ユーベルホールのスタインウェイは、痛んでおらず、素晴らしい! バスの伸び、各声部の動き等が、立体的に伝わり、工夫し、考えた分だけ、表現できる楽器とホールだと思う。最初は、『ユーベルホールで弾くと、演奏が2~3割増しに、良く聴こえる。』と単純に思っていた。が、お稽古した分だけ、考えたり、悩んだりした分だけ、成果が表に現れてくれるのだとも思う。
 しかし、カリヨンホールで弾くとなると、その選曲にも<傾向と対策>が必要になるであろう。公式なピアノ・リサイタルには、難しい。脱力の加減ができたり、繊細な音づくりを心がけている人には、不満が残るかも。

 いずれにせよ、ピアノという楽器は、自分の愛用楽器を、ヴァイオリンやフルートのように、持ち運べないので、その場その時の条件で、扱いが難しい。

 外観は、評価しない。