プログラムは、ショパンのノクターン4曲、リストのロ短調ソナタ、プロコフィエフのソナタ8番。プログラムはアンコールも含めて、前日の東京公演と同じ。
座席は、1階、舞台に向かって右端だった。手は見えないが、ペダルの足さばきは良く見えた。ソフトペダルの使い方が良い効果をあげていた。特筆すべきは音の少ない場面、ペダルのない箇所、大変美しい響きだった。音ひとつひとつに伸び、響きがあり、ペダルのない場面でも決してドライなサウンドにはなっていなかった。反面、特にリストでは、音がこみいると、クリアでない時もあり、感情が勝ってしまう場面があった。一見、リストと比べて、プロコフィエフの作品は、音が複雑な気がする。が、そのプロコフィエフの方が全体がすっきり聞こえて、聴きやすかった。休憩前のリストの演奏に聴衆は沸いていたが、ご本人は、リストの出来映えには満足していない様子だった。
プロコフィエフのソナタ8番の時、冒頭からバレエ「シンデレラ」が浮かんできそうだなと思いながら、聴いていた。後日、作品年代・背景をgoogleしたら、同時期で驚いた。初めて聴いたわけでなかったが、以前は感じなかった感想。
アンコールは、幻想曲ニ短調(モーツアルト)と、悪魔的暗示(プロコフィエフ)。今日のプログラムで一番よかったのは、このモーツアルト。もう一度聴いてみたいと思わせる名演だった。
前日に武蔵野市民文化会館大ホールで行った公演を、こんな親密な空間で間近で聴くことができ、贅沢な時間、得した気分だった。勉強になった1日でもあった。
プログラムはA4のプリントで、曲目、プロフィール、宣伝しか、載っていなくて、マネージメント会社が主催しているにもかかわらず、こんな簡素なものは見たことがないほどであった。私のリサイタルでさえも、形だけの解説を載せているのに。
休憩時に調律が入ったが、終始、音の狂いが気になった。
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